明けましておめでとうございます。 2010 年、ぼくも hiromasa.another もいつもどおりのまったり感かと思いますが、今年もよろしくお願いいたします。 🙂
さて去年あたりから、Windows Azure などいわゆるクラウド的なサービスがいろいろでてきて、なんだかちょっとわくわく。 今年の興味はこの辺から・・・。
クラウドというと、ラップするレイアがサービスによっていろいろ違ってなんだかよく分からないですが、ぼくはその中の PaaS というサービスが遊ぶに面白そうかなと思っています。
クラウドと呼ばれているものにはいくつか種類があると思いますが、たとえば Amazon EC2 はサーバの物理存在を隠します。 サーバが 2台ほしければ、2 って画面にいれて起動させれば 2台できる。 増やしたければすぐ増やせる。 サーバの手配とかデータセンターの置き場所とか電源とか考えなくていいわけですね。
たとえば Google Apps。 これはサーバとさらにアプリケーションの運用を隠します。 言うならばメールサーバ落ちた!などと会社の情報システム部門がてんやわんやしなくてよくなるというサービス(笑)
で、PaaS というのはその中間。 物理サーバとアプリケーション動作に無関係な運用部分を請け負ってくれます。 で、のせるアプリケーションは各自つくってすぐデプロイできるように環境が整っている感じです。
今で言うところの、レンタルサーバに PHP のアプリケーションを各自入れて動かすの発展系のイメージ。
たとえば現状のレンタルサーバでは WordPress の MySQL のバックアップとか自分でやらなくてはならなくて結構大変ですが、PaaS の場合はスケジュールで勝手にバックアップをとってくれたり簡単にリストアできたり、各種リソースの使用量が管理画面から見えたり、よりアプリケーションよりのサービスが付随します。
PaaS のひとつである、Windows Azure では、既に WordPress も稼働しているとのことです。
「PDC09」リポート:Microsoftはハイブリッドな戦略で古い殻を脱ぎ捨てる (2/3) – ITmedia +D PC USER
欧米を中心に世界中で広く利用されているブログシステム「WordPress」の開発者であるマット・マレンウェッグ氏が登場し、Windows Azure上でWordPressを動作させるデモを紹介した。
さて、この PaaS ですがもう一つの特徴が、様々なアプリケーションを動かすための環境が整っていること。 簡単に言えば、C# とか Java とかそのへんの言語と、そのアプリケーションサーバ環境周りも使うことができます。
PHP では少し無理があったことも簡単にできるようになる・・・。 実はここがぼくの最大の関心事。 大昔 CGI が無料で使える海外サーバがでてきたようなどきどきが(笑)
PaaS のサービスは Google App Engine とか Stax Networks とかありますが、ここでは後者を使ってみました。 Stax のほうがサンドボックスの制限が緩いので遊びやすいのです。
とりあえずつくってみたのは、twitter ボット。
PHP でももちろんボットはつくれますが、一般的な PHP の環境はプログラムから動き出すことができないという制約があります。 人のアクセスとか別系の cron とか外的要因からプログラムをキックする必要がありますが、ここでは Java のスレッドスケジューラを使って自分から定期起動するようにしています。
いろんなライブラリが簡単に使えるのもいいところで、このボットは twitter クライアントに twitter4j、また スケジューラ に Quartz というライブラリを使っています。
Twitter4J – A Java library for the Twitter API
Twitter4J は TwitterAPI の Java ラッパです。 Twitter4J を使うと XML や HTTP に詳しくなくても容易に Twitter とインタラクトするアプリケーションを書くことが出来ます。
Quartz is a full-featured, open source job scheduling service that can be integrated with, or used along side virtually any Java EE or Java SE application – from the smallest stand-alone application to the largest e-commerce system.
ちなみに、Google App Engine はスレッド禁止っぽいので、Quatz は残念ながら動作しないと思われます。 http の通信もなにか特別なことをしなくてはいけなそうでした。(たぶん)
で、とりあえずライブラリや web.xml を配置します。 Stax Networks は Tomcat を使っているようで、また一般的な WAR も配置できるので基本的になにも考えずにいつも通りにつくれます。
web.xml を以下のように。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<web-app>
<display-name>Desyura</display-name>
<servlet>
<servlet-name>QuartzInitializer</servlet-name>
<servlet-class>
org.quartz.ee.servlet.QuartzInitializerServlet</servlet-class>
<init-param>
<param-name>shutdown-on-unload</param-name>
<param-value>true</param-value>
</init-param>
<init-param>
<param-name>start-scheduler-on-load</param-name>
<param-value>false</param-value>
</init-param>
<load-on-startup>1</load-on-startup>
</servlet>
<servlet>
<display-name>RobotInitializer</display-name>
<servlet-name>RobotInitializer</servlet-name>
<servlet-class>
net.maple4ever.desyura.RobotInitializer</servlet-class>
<load-on-startup>2</load-on-startup>
</servlet>
</web-app>
QuartzInitializerServlet と、スケジューラの起動の Servlet を順番に登録。
あとはソースを書くだけです。 動作できるかどうかのサンプルでかいただけなので、いんちきをたくさん含んでいることをあらかじめご了承ください。
RobotInitializer.java。 スケジュールのインスタンスをもらって、Job を行うクラスを登録する感じです。 CronTriger を使うと cron みたいな形式で時間を指定できます。
package net.maple4ever.desyura;
import java.text.ParseException;
import java.util.Calendar;
import java.util.Locale;
import javax.servlet.ServletException;
import javax.servlet.http.HttpServlet;
import org.quartz.CronTrigger;
import org.quartz.JobDetail;
import org.quartz.Scheduler;
import org.quartz.SchedulerException;
import org.quartz.Trigger;
import org.quartz.impl.StdSchedulerFactory;
public class RobotInitializer extends HttpServlet {
public static final String START_TIME = "START_TIME";
private static final long serialVersionUID = 1L;
public RobotInitializer() {
super();
}
@Override
public void init() throws ServletException {
// QuartzInitializerServlet で作成したスケジューラを取得
Scheduler sched = null;
try {
sched = (new StdSchedulerFactory()).getScheduler();
} catch (SchedulerException e) {
throw new ServletException(e);
}
// Cron 形式のトリガー作成(とりあえず 5分)
Trigger trigger = new CronTrigger("trigger1", "group1");
try {
((CronTrigger) trigger).setCronExpression("0 0/5 * * * ?");
} catch (ParseException e) {
throw new ServletException(e);
}
// JobDetail にコールバッククラス登録
JobDetail jobDetail = new JobDetail(
"Twitter Bot"
, "Twitter Bot"
, TwitterBotService.class
, true
, true
, true);
// 起動時間を JobDataMap に格納(twitter のロケールも日本にすること)
jobDetail.getJobDataMap().put(START_TIME,
Calendar.getInstance(Locale.JAPAN));
// スケジュール開始
try {
sched.scheduleJob(jobDetail, trigger);
sched.start();
} catch (SchedulerException e) {
throw new ServletException(e);
}
}
}
TwitterBotService.java。 時間がきたら twitter をみてつぶやく Job クラスです。 スケジュールごとに new されるので手を抜いて static で値を保持しています。(本当は context にシリアライズできる形で値をいれるのが良いと思われます)
package net.maple4ever.desyura;
import java.util.ArrayList;
import java.util.Calendar;
import java.util.Collections;
import java.util.List;
import java.util.Date;
import org.quartz.JobExecutionContext;
import org.quartz.StatefulJob;
import twitter4j.Status;
import twitter4j.Twitter;
import twitter4j.TwitterException;
public class TwitterBotService implements StatefulJob {
// StatefulJob は同時実行されないが手抜き synchronized しておく
static private List<Long> read = (List<Long>) Collections
.synchronizedList(new ArrayList<Long>());
static private final int PAGE_COUNT = 20;
public void execute(JobExecutionContext context) {
// スケジュールイベント
System.out.println("Fire! " + context.getScheduledFireTime());
// 初回起動時間取得
Date fistTime = ((Calendar) context.getMergedJobDataMap().get(
RobotInitializer.START_TIME)).getTime();
// twitter 接続
Twitter tw = new Twitter("ユーザ名", "パスワード");
String tweet;
try {
// twitter から Mentions をもらう
List<Status> status = tw.getMentions();
for(Status stat : status) {
// 起動時より前の返信は答えない
if(fistTime.after(stat.getCreatedAt())) continue;
// すでに返信していたら答えない
if(read.contains(stat.getId())) continue;
// 自分のスクリーンネームを相手に置換してつぶやく
tweet = stat.getText().replaceAll(
stat.getInReplyToScreenName(),
stat.getUser().getScreenName());
tw.updateStatus(tweet, stat.getId());
System.out.println(tweet);
// 読んだリストに入れておく
read.add(stat.getId());
}
// getMentions() は 20件取得なのでそれを超えたら忘れる
if(read.size() > PAGE_COUNT) {
read.remove(0);
}
} catch (TwitterException e) {
// 投稿失敗しても次に期待する
System.out.println(e.getStackTrace());
}
}
}
(あ!!、if の位置間違っていることをブログかきながら発見。。(笑))
ひとつしかスケジュールもアカウントも制御できないエコーなボットですが、100 ステップくらいでできちゃうのはお手軽すぎです。
これは実験なのであれですが、スケジュールも twitter も意識させずに文字列操作部分だけ外だしにできるようにプログラムをかえていけばいいかなという感じですね。 Jython とか JRuby とか Groovy とかの Java の上で動くスクリプト言語にその部分をプラグインのように渡すのも面白いかもしれません。
できた WAR は Stax Networks にそのままデプロイできます。 ant タスクがあるのでコマンド一発。 FTP クライアントとかいりませぬ。
hiromasa.another :o) » Blog Archive » Stax Networks への JavaEE アプリのデプロイ
あとは、ドキュメントにかいてあるとおり build.xml にユーザ名とかパスワード、war の stax-application.xml パスをかきます。
stax-application.xml はとりあえず適当に Stax Networks の管理画面で BASIC Servlet and JSP なアプリを作成しておいて、それをダウンロードしてきてそのまんま使うのが楽かもしれません。
さて、twitter は昔 Jabber をサポートしていたので、たとえば Stax Networks とソケットつなぎっぱなしにして、リアルタイムに反応するボットとかもつくれたと思うのですが、もうできなくて残念。
でも、最近は websocket とかそれっぽい技術もできてきていますので、こういったアプリケーションサーバがあると、いままで http な Web ではできなかったようなことも実現できそうです。
いろいろこのへんの技術で遊んでみたいな、と思った1年の始まりでした。 🙂
あけおめー!
ついったーヲラもやってるぞぉ
あけましたー!
おお、そうなのか、メールででもアカウントおしえてちょ。 🙂
リクエストしたよ。
最近の私の行動がわかります。
こっそり見て心の中に留めてくださいwww