オープンソースカンファレンス 2010 北海道 + WordPress セミナ & ブース

昨日 6/26 に札幌市産業振興センターで行われました、オープンソースカンファレンス 2010 北海道にて、WordPress ブース展示とセミナの開催をWordBench 札幌として実施させていただきました。  🙂

セミナで「世界標準ブログツール WordPress の最新版 3.0 と豊富なプラグイン」ということでお話しさせていただきましたので、資料のほうをこちらで公開したいと思います!。

東京からはるばる札幌まで支援に来ていただきました、yuriko さんてぃあこさんおでこさん、札幌よりさっちん、どうもありがとうございましたっ。

オープンソースカンファレンス2010 Hokkaido – オープンソースの文化祭!

内容:オープンソースに関する最新情報の提供
・展示 – オープンソースコミュニティ、企業・団体による展示
・セミナー – オープンソースの最新情報を提供

自分は普段ソフトウェア会社所属なもので、WordPress のブース・セミナに興味を持って多く足を運んでくださるであろう、札幌の Web 製作会社の方との交流が実はなく、実際どの程度着ていただけるのかが未知数でしたが、ふたを開けてみればセミナの方は立ち見までということで、札幌で活動をされている方と交流を持たせていただけたことを嬉しく思いました。 🙂

というわけで、セミナ資料を公開いたします。

世界標準ブログツール WordPress の最新版 3.0 と豊富なプラグイン

本日お話しする内容

  • 日本時間 6/18 にリリースされた WordPress 3.0 について、WordPress の CMS としての紹介とともに新機能を解説します。(6/23 に日本語版がリリースされました)
  • その中で WordPress の動作を追いながらプラグインの仕組みと、その仕組みを使った具体的な例を紹介します。
  • 最後に、WordPress コミニュティサイト WordBench をご案内します。

ご存じの通り人前でしゃべるのが苦手なもので分かりづらくてホントすいません。。 当日の資料で口頭にしてしまっているところには、若干ですが補足いれましたので、来られていない方も見ていただければと思います。

セミナ終わった後にご挨拶させていただけた方、ありがとうございました。 今後ともヨロシクお願いいたします。 🙂

WordPress ブースの方もみなさん足を運んでくださってありがとうございました!

IMG_0092

yuriko さんが、WordPress グッズを東京から輸入してくださいました。 😀

前日のお食事会の様子や、OSC 中の楽しげな写真などは次のエントリでいきます!(おでこさんの写真待ちともいう(笑))

WordPress 3.0 と プラグインアクション・フィルターフックへのクロージャ渡し

3.0 開発中は全然気がつかなかったのですが、WordPress 3.0 からプラグインのアクション・フィルターフックにクロージャが渡せるようになりました。

クロージャが使えるのは PHP 5.3 からなのでみんなに使ってもらうプラグインなどではあまり使えませんが、5.3 と決まった環境でのテーマつくりなどの作業の場合は楽できるかもです 🙂

特に、Thematic などテーマフレームワークの functions.php で小さなフックをつくらなければいけない場合に威力を発揮しそうです。 ついでに 5.3 じゃなくても楽する方法も紹介します。

修正元の trac はこちらです。

#10493 (Allow closures as callbacks) – WordPress Trac

PHP 5.3 allows closures, which means we can replace this:

add_action('init', create_function('', '//do something'));

with this:

add_action('init', function() { // do something });

and it only requires two lines of extra code.

実はサンプル上の create_function を使うパターンは少し前からマイブームだったのでタイムリー。 こちらは PHP 5.3 じゃなくてもいけます。

でもって、これって何の話かというと…。

いつもの、the_content のフィルターをつかった、記事の頭に☆をつけるサンプルでご説明。

まず、以下のソースが一般的にかいたフィルタープラグインフックです。

// 普通のパターン
function add_star($content) {
    return "☆" . $content;
}
 
add_filter('the_content', 'add_star');

 

別にこれでいいわけなんですが、問題は add_star っていう関数。 こんな小さい関数に名前をいちいち考えるのも大変ですし、他とかぶってはいけないという制約もあります。 要は面倒であります。

ってことで、PHP では create_function というのを使うと匿名関数というのがつくれますので(名無しさんですね)これを利用すると…。

// 匿名関数(create_function)
add_filter('the_content'
    , create_function('$content', 'return "▲" . $content;'));

 

add_star をなくせました。 create_function でつくりだした匿名の関数をフックに渡してしまいます。 ちょいフックならこれで十分。 これは PHP 5.3 じゃなくても動きます。

でもちょっと問題がありまして、見ての通り関数の内容がただの文字列。 IDE サポートもうけられませんし、何より分かりづらい。 SQL をソースコードに直接書いているようながっかり感があります(笑)

というわけで PHP 5.3 から登場した、無名関数。 PHP マニュアル見ると匿名と無名で分けてみるみたいですね。

php 無名関数 – Manual

無名関数はクロージャとも呼ばれ、 関数名を指定せずに関数を作成できるようにするものです。 コールバック パラメータとして使う際に便利ですが、用途はそれにとどまりません。

どうなるかというと、

// 無名関数(PHP 5.3)
add_filter('the_content'
    , function($content) { return '△' . $content;});

 

やぁすっきりしました。 function() {} ということで名前なしで関数を定義して、直で add_filter に渡してしまいます。(これが WordPress 3.0 からサポートされました)

ここまでで十分便利ですが、調子に乗って「振る舞いを変えた」無名関数を the_content に登録してみます。

// 無名関数(エンクロージャ参照)
function enclosure($value) {
    $add = $value;
    return function($content) use($add) {
        return $add . $content;
    };
}
 
add_filter('the_content', enclosure('□'));
add_filter('the_content', enclosure('■'));
 

 

これは今までは class でやっていたことを、関数で実装する感じです。 PHP のクロージャは外側の変数を参照するのに use を使うようです。 🙂

さてさて、これらを全部テーマの functios.php いれるとこんな感じになります。

closure01

予定通り全部動いていますね。 🙂

最後に thematic テーマフレームワークで head 部に generator meta タグを復帰させるコードをサンプルに。

// 匿名関数版(create_function)
add_action('init', create_function('',
    "remove_filter(
        'the_generator'
        , 'thematic_remove_generators');"), 999);
 
// 無名関数版(PHP 5.3)
add_action('init', function() {
    remove_filter(
        'the_generator'
        , 'thematic_remove_generators');},999);
 

 

というわけで、小さいフックをかかねばならない場合は、是非是非(←3回目…

WordPress 3.0 Thelonious リリースとカスタムメニュー

幾度かの RC を経まして WordPress 3.0 Thelonious がリリースされました!

ja(日本語)版リリースに先駆けまして、ここ hiromasa.another も 3.0 にアップグレード。 実は少し前から RC 版で動かしておりましたので、トラブルなく動作しました。

3.0 はマルチブログ、カスタム投稿、カスタムメニューの機能追加、カスタム分類強化などなどデータ構造の変更を含む大きなリリースとなっています。

その他の大量の変更内容も含めまして、codex をみると非常によく分かります。 🙂

Version 3.0 – WordPress Codex 日本語版

2010年6月17日(木)(米国時間)、WordPress バージョン 3.0 がリリースされました原文)。このバージョンのバグフィクスについての情報は、Trac のクローズチケット一覧をご覧ください。

カスタム投稿 + カスタム分類は強力な変更ですが、ここのような既に動作しているブログでは品行方正(?!)が必要な部分もありいきなりの導入はちょっと難しい(笑)ですので、まずはカスタムメニューを導入してみました。

WordPress を CMS 的に使う場合、コンテンツがスタックする部分にカテゴリやタグを、変更が累積しない場合にはページを使うというのがあちこちでみる常套手段となっていますが、その統一ナビゲーションメニューをつくるのって結構大変です。

wp_page_manu だと基本ページの一覧しかだせないので、カテゴリリンクとまぜて ol li を構築するのがやっかいです。 あとページだけでも順番そろえたりとか結構面倒、てなわけで登場したのが wp_nav_menu。

管理画面の UI 操作で、カテゴリ、タグ、カスタム投稿、その他手動設定のリンクや個別の投稿を選択してメニュー化できます。

nav02

階層構造ももつことができて、対応する CSS を書いてあげればドロップダウンメニューとかもできるようになっています。

使い方は簡単で、今テーマで wp_page_menu とかしているところを、wp_nav_manu テンプレートタグに置き換えればとりあえず、それとなく動くようになっているようです。 本来的にはテーマの functions.php で register_nav_menu してあげてからにすると、複数のメニューを任意の位置にだすことができます。

nav01 

たとえば、ここのサイトで使っているテーマフレームワーク Thematic の場合は、functions.php に以下を追加すると既存のヘッダページメニューをカスタムメニューに置き換えられます。(そのうち Thematic 本家も対応すると思いますのでこれはサンプルってことで 🙂

/******************************************************************************
 * メニュー変更
 *****************************************************************************/
function refrect_setup() {
    // thematic 標準ナビゲーション(wp_page_nav)削除
    remove_filter('thematic_header','thematic_access', 9);
    // テーマにナビゲーション登録
    register_nav_menu('primary', 'ヘッダのところのナビゲーション');
    // thematic ナビゲーション変更
    add_action('thematic_header','add_custom_menu', 9);
}
 
function add_custom_menu() {
?>
    <div id="access">
    <div class="skip-link"><a href="#content" title="<?php _e('Skip navigation to the content', 'thematic'); ?>"><?php _e('Skip to content', 'thematic'); ?></a></div>
        <?php wp_nav_menu(array(
            'theme_location' => 'primary'
            , 'container_class' => 'menu'
            ,'menu_class' => 'sf-menu sf-js-enabled')); ?>
    </div><!-- #access -->
<?php
}
 
add_action('after_setup_theme', 'refrect_setup');

 

このソースは Thematic 特有のコードが入っていますが、基本はそれぞれのテーマの functions.php に

register_nav_menu('primary', 'ヘッダのところのナビゲーション');

 

この1行を追加しまして、テーマでカスタムメニューをだしたい部分に、

<?php wp_nav_menu(array('theme_location' => 'primary')); ?>

 

とかけば OK のハズです。 primary っていうのが id で任意の名前をつけて複数メニューがある場合はこれで識別します。 簡単あるね。

wp_nav_manu には引数で html の id や class を指定できますので、CSS にいい感じに合わせれば良いと思います。

テーマファイルもいじりたくないって場合は、3.0 からこのカスタムメニューを表示するウィジェットが用意されていますので、これをぺたっと張ればサイドバーとかにはすぐだせますね。 🙂

nav03

ちなみに、このサイトの上のナビゲーションはカスタムメニュー化しています。 ページしか使っていなかったので、見た目「ホーム」が「Home」になっただけですが、順番を UI で変えられるのは便利です。

まずは、是非是非。 🙂