Windows の WSL2/WSLg を使うと Linux の GUI アプリが活用できて良い感じです。近年の Linux GUI アプリは使い勝手もグッドで、Windows よりもフォントが綺麗に出力できるなど利点も多いです。コマンド 1行で導入できるのも手軽です。
ということでこの記事では自分が普段使っているソフトウェアを紹介したいと思います。日本語の「入力」はいくつか問題があるので、行わなくても問題がないシチュエーションで使えるものを選択しています。
導入は WSL2/Ubuntu 22.04 LTS を想定です。また、この記事のスクリーンショットでは Ubuntu 標準テーマのダークモードを設定しています。GNOME/GTK テーマの設定方法は末尾の関連記事に掲載しました。
なお、WSL2 は Windows 側のファイルシステム(/mnt/c)
を扱うと動作が遅くなりますので、なるべく /home/username
配下など Linux 側のファイルシステムを使うように運用すると良いと思います。また、4K モニター使用時などで Windows 側でしているスケーリング設定は WSL2 側には反映せず、.wslgconfig
ファイルで行えるスケーリングも まだ完全には動作しないようです。
準備
Windows の Powershell 窓などで WSLg が入っていることを確認のこと。
Direct3D バージョン: 1.608.2-61064218
DXCore バージョン: 10.0.25131.1002-220531-1700.rs-onecore-base2-hyp
Windows バージョン: 10.0.22621.1992
入っていなければ、確認の上 wsl --update
でアップデートします。
Linux 用 Windows サブシステムの最新バージョンは既にインストールされています。
日本語フォントの導入。 Ubuntu 上で以下のコマンドで入ります。
$ sudo apt install fonts-noto-*
お使いの Ubuntu の活用範囲で問題なければ、日本語ロケールも設定しておくと良いかもしれません。
$ sudo apt -y install language-pack-ja
$ sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF8
nemo ファイルマネージャ
ファイルマネージャの nemo
です。GNOME の Files アプリよりもペイン分割(F3キー)や、キーボード押下からの先頭文字ジャンプなどが標準で使えて便利です。
導入。
コマンドラインだとワイルドカード選択が難しいパターンなどの操作で、次のようにカレントディレクトリ .
などを指定して nemo を起動するとすっ飛べて良いと思います。
GNOME 画像ビュアー(Eye of GNOME Image Viewer)
nemo と一緒に GNOME 画像ビュアーを入れておくと、nemo のファイルダブルクリックから画像ファイルが開けます。また PDF の表示もいけます。
PDF では FreeType フォントレンダラが選択されますので、通常の Windows ウェブブラウザによる PDF 表示よりも美しいです。
Meld
フォルダ単位で diff がとれる Meld 。導入。
こちらもコマンドラインから次のように引数でディレクトリ指定して起動すると便利です。
ソースコードフォントには HackGen を使わせていただいております。(メニュー Meld -> 設定より)
なお、Ubuntu へのフォントの導入は /usr/share/fonts/truetype/
にディレクトリを作成しフォントを配置して、 fc-cache
コマンドでシステムに認識されるようになります。
$ ls -l /usr/share/fonts/truetype/hackgen/
-rw-r--r-- 1 hiromasa hiromasa 13060044 5月 3 17:51 HackGen35ConsoleNF-Bold.ttf
-rw-r--r-- 1 hiromasa hiromasa 12520684 5月 3 17:51 HackGen35ConsoleNF-Regular.ttf
-rw-r--r-- 1 hiromasa hiromasa 13061184 5月 3 17:51 HackGenConsoleNF-Bold.ttf
-rw-r--r-- 1 hiromasa hiromasa 12519656 5月 3 17:51 HackGenConsoleNF-Regular.ttf
/usr/share/fonts/truetype/hackgen/HackGen35ConsoleNF-Bold.ttf: HackGen35 Console NF:style=Bold
/usr/share/fonts/truetype/hackgen/HackGenConsoleNF-Bold.ttf: HackGen Console NF:style=Bold
/usr/share/fonts/truetype/hackgen/HackGen35ConsoleNF-Regular.ttf: HackGen35 Console NF:style=Regular
/usr/share/fonts/truetype/hackgen/HackGenConsoleNF-Regular.ttf: HackGen Console NF:style=Regula
RSS リーダー NewsFlash
モダンでナイスな RSS リーダー NewsFlash です。こちらも FreeType/Noto で表示できるので綺麗です。また、RSS のソースコードブロックがいい感じにレンダリングされるのでお気に入りです。
このアプリは snap 提供があるので snap で導入してみました。Ubuntu の snap を使う場合は WSL2/Ubuntu を systemd 起動にする必要があります。(Flatpack 版 がオフィシャルのようなので systemd 起動をしたくない方はそちらで…!)
WSL2/Ubuntu の systemd を有効にします。ファイルがない方は新規作成のこと。
いったん WSL2 を再起動します。これで systemd が有効になった Ubuntu になりますので snap が使えるようになります。(わずかに Ubuntu の起動が遅くなります)
NewsFlash 導入。
$ sudo snap install newsflash
起動して RSS URL を登録後、フィードタイトルペインの上にあるリロードボタンを押すと時間を置かずにフィードを取得してくれるようです。
Windows のタスクバーにアプリを登録したい
Windows のタスクバーに Ubuntu アプリを登録するには次のように操作します。アイコンが選べない、アプリによってはペンギンアイコンになって識別しにくいなどまだ少し癖がありますが、RSS リーダなどは登録しておくと便利です。
Windows のスタートメニューを押してお目当てのアプリを検索で選択し「スタートにピン止めする」を選択します。
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