Eclipse EGit の使い方(2/2)

前回に続き、EGit の使い方です。

目次

  1. 導入
  2. ローカルリポジトリの作成
  3. ファイル操作
  4. リモートリポジトリに接続
  5. ローカルブランチの作成
  6. リベースインタラクティブ
  7. ブランチからのマージ1
  8. ブランチからのマージ2
  9. コンフリクトの解消
  10. リベース
  11. コミットコメント修正
  12. コミットリセット
  13. リバートコミット

このページでは、7〜13までを記載しています。

ブランチからのマージ1

develp ローカルブランチのコミットを origin/master に接続している master ブランチにマージしてプッシュする操作です。この操作では、devel に行ったコミット操作が master に統合されます。

develp ローカルブランチは次のようになっています。

egit-rebasei05

1. master ブランチにスイッチします。

egit-margea01

2. プロジェクト右クリックから、Team -> Marge を選択します。

egit-margea02

3. devel ブランチを指定し Merge ボタンを押下すると、master ブランチに devel ブランチのコミットがマージされます。devel と master でコンフリクトがなく、Fast forward option で、If a fast-foward, only update the branch pointer を選択しているため、master のおしりに devel のコミットが結合されます。

egit-margea03

egit-margea04

4. リモートリポジトリにプッシュされていないコミットがあると↑印で分かります。 Team -> Push to Upstream でプッシュします。( devel ブランチで行った rebase -i で修正したコミットはプッシュされていないのが分かります)

egit-margea05

egit-margea07

egit-margea08

b03

5. 不要になったローカルブランチは、Git Repository View から右クリック Delete Branch で削除できます。

egit-margea09

ブランチからのマージ2

develp ローカルブランチのコミットを origin/master に接続している master ブランチにSquash マージしてプッシュする操作です。この操作では、devel ブランチに行ったコミット全てをひとつにまとめて master にコミットできます。

1. Team -> Swicth To -> New Branch から devel2 ローカルブランチを作成します。

egit-margeb01

2. devel2 で作業を行い、(恥ずかしい)コミットをいれます。

egit-margeb02

3. Team -> Swich To -> master から master ブランチに切り替えます。

egit-margea03

4. Team -> Merge を選択します。

egit-margeb03

5. devel2 ブランチを選択し、Merge options で Squash を選択し、Merge ボタンを押下すると、ソースコードがマージされます。(コミットはされません)

egit-margeb04

egit-margeb05

egit-margeb06

6. マージされたソースを master ブランチにコミットすると、devel2 の修正が新しいコミットとして作成できます。なお、Commit Changes ダイアログでは Commit and Push を押下すると、コミット後自動的にリモートブランチにプッシュが行えます。

egit-margeb07

egit-margeb08

b04

コンフリクトの解消

マージやプル操作などで、ソースに衝突が発生した場合は、次の手順でマージを行います。

master からブランチした devel3 ローカルブランチで作業中に、起点とした master に別な修正がかかりコンフリクトした例です。

egit-confrict01

master にスイッチして devel3 をマージしたところ衝突が起きました。該当のモジュールに赤印がつき、プロジェクトのマーカーに Conficts がつきます。

egit-confrict02

egit-confrict03

1. 衝突したモジュールを右クリックし、Maege Tool を選択します。

egit-confrict04

2. Select a Merge Mode で Use HEAD を選択します。

egit-confrict05

3. Merge Tool でソースコードのマージを解消します。

egit-confrict06

4. マージして赤くなっているモジュールを右クリックから、Team -> Add to Index を選択し、インデックスに戻してあげると、プロジェクトのマーカーが Merged に変わります。

egit-confrict07

egit-confrict08

5. コミットを行います。(マージコミットが作成されます)

egit-confrict09

egit-confrict10

b05

リベース

ローカルブランチで作業中に、ブランチの起点となったコミットを動かし、なるべくマージ(コミット)しないようにリベースする手順です。

master からブランチしたローカルブランチの devel4 をリベースし、最新の master を起点に追従します。

1. devel4 で作業中の master にリベースしたいタイミングで、Team -> Rebase を選択します。

egit-rebase01

2. master ブランチを選択し、Rebase を押下します。

egit-rebase02

3. rebase 時に不運にもソースコードにコンフリクトが起きた場合は、Start Merge Tool to resolve conflicts を選択し OK ボタンを押下します。

egit-rebase03

4. コンフリクトを解消するとマージ印がつきます。プロジェクトのマーカーは Rebase interractive になっており、まだ rebase 操作中であることが分かります。

egit-rebase04

5. Team -> Rebase -> Continue Rebase を選択し、全ての衝突を解消すると、リベースが完了します。

egit-rebase05

egit-rebase06

コミットコメント修正

コミットした直前のコミットコメントは修正できます。

egit-amend01

1. モジュールに修正をかけない状態で、再びコミットを行おうとすると、No files to commit ダイアログが表示されるので、はいを押下します。

egit-amend02

2. コミットダイアログが表示されるので、コミットコメントを修正し、Commit を押下すると直前のコミットコメントが修正されます。

egit-amend03

egit-amend04

コミットリセット

プッシュ前であれば、コミットを取り消す(HEADを移動させる)ことができます。

egit-reset01

1. ヒストリービューからいらないコミットの前(HEADにしたい)のコミットにカーソルを合わせて、Reset -> Mixed を選択すると、そこまでのコミットがなかったことになります。(Mixed を選択した場合、ワーキングディレクトリのファイルの内容はそのままになります。ファイルの内容も抹消したい場合は Hard を選択します)

egit-reset02

egit-reset03

egit-reset04

リバートコミット

プッシュしてしまったコミットを取り消すには、打ち消しのコミットを入れてプッシュします。

機能G追加のコミットが不要でしたが、リモートリポジトリにプッシュしてしまったので取り消します。

b06

egit-revert01

1. ヒストリービューから、取り消したいコミットを右クリックして Revert Commit を選択すると、取り消しとなるリバートコミットが行われます。

egit-revert02

egit-revert03

3. リバーとコミットをプッシュします。

egit-revert04

b07

以上、Egit の操作系の紹介でした。(実はプルを書き忘れていたりしますがそのうちなおしておきます…)

EGit ではその他にも、stash とかタグうちとか、ブランチ同士の比較なども同じような操作でできますので試してがってん。3.3.1 にて自分がやりそうな操作はひと通りできるようになっているようです。(3.4 も後少しで Eclipse Luna とともにリリースされるハズです)

気になっているのが JGit のコマンドラインインターフェースがあるような雰囲気なのですが、どうやって使うんでしょうか。

…てなわけで、オチがないので滝にうたれてきます。

Eclipse EGit の使い方(1/2)

Eclipse から Git 操作を行う、EGit の使い方についてまとめてみました。

この記事は 2014/3/25 にリリースされた EGit 3.3.1 を使い、Ubuntu もしくは Windows で操作しています。(たぶん Mac でも大丈夫です)

リポジトリを破壊したり、ファイルが多くあると遅くなっていたりしていたお騒がせな EGit でしたが、現在の所、通常の操作では問題なくなったように思います。

目次

  1. 導入
  2. ローカルリポジトリの作成
  3. ファイル操作
  4. リモートリポジトリに接続
  5. ローカルブランチの作成
  6. リベースインタラクティブ
  7. ブランチからのマージ1
  8. ブランチからのマージ2
  9. コンフリクトの解消
  10. リベース
  11. コミットコメント修正
  12. コミットリセット
  13. リバートコミット

このページでは、1〜6までを記載しています。(続きは力尽きたので次回…

導入

EGit は Eclipse 用の Git プラグインです。

JavaEE 版の Eclipse Kepler であれば、初期状態でバージョン 3.2 が導入されていますが、不具合の修正も多数ありますので、以下のアップデートサイトを登録し 3.3.1 の最新版をいれたほうが良いでしょう。

EGit – Download

To install via one of the update site URLs listed below, copy and paste it into the “Help > Install new software” dialog.

EGit can be installed in the following ways:

Main Update Site: http://download.eclipse.org/egit/updates (Recommended)

ヘルプ->新規ソフトウェアのインストールに、アップデートサイトを登録し、Eclipse Git Team Provider と JGit を導入します。

egit-install01

なお、EGit は Java の Git 実装である JGit を使って動きますので、別途 Git のコマンドラインツールなどを入れる必要はないです。

導入が完了すると、以下のビューが使えるようになります。

egit-install02

Git Repositories からリポジトリを操作するので出しておくと便利でしょう。

ローカルリポジトリの作成

新規プロジェクトを作成し、そのモジュールを Git のローカルリポジトリで管理するまでの手順です。既存のプロジェクトでも 2. 以降の手順で Git 管理下におくことができます。

1. Eclipse のプロジェクトを作成します。

egit-init01

2. プロジェクトを右クリックし、Team からプロジェクトの共有を選択します。

egit-init02

3. Git を選択します。

egit-init03

4. Use or create repositoru in parent folder of project にチェックを入れ、Create Repository をクリックします。

# Creation of reoisitories  in parent folder the Eclipse workspace は非推奨。ワークスペース上に Git のファイルがあると Eclipse が遅くなるのでということのようです。(が、特に問題無さそうなので自分はこちらを使っています)

egit-init04

5. ワークスペースと同じフォルダに .git リポジトリが作成されるので、完了をクリックします。

egit-init05

6. プロジェクト右クリックから、Team -> Commit をクリックします。

egit-init06

7. コミットダイアログが表示されます。 が、コミットの必要がない Eclipse の設定ファイルなどがあるので、いったんキャンセルします。

egit-init07

9. Eclipse 標準のフィルターだと隠しファイルが見えないため、見えるようにビューを一度カスタマイズします。

egit-init08

10. フィルターから .* リソースのチェックを外します。

egit-init09

11. 隠しファイルが見えるようになったので、コミットが不要なファイルを右クリックし、Team -> Ignore を指定し、Git の管理下から外します。(.gitignore が編集されます)

egit-init10

egit-init11

12. 管理するファイルが決まったので、再び Team -> Commit を選択します。

egit-init12

13. コミットダイアログで、コミット(インデックス)するファイルにチェックをつけ、コミットボタンを押下します。ヒストリービューからコミットの履歴を見ることができます。

egit-init13

egit-init14

ファイル操作

コミット後に修正を行ったファイルには > 印がつきます。

egit-edit01

コミット(HEAD)に戻したい(上書きしたい)時は、ファイル右クリック->置換->HEAD Revision を選択します。

egit-edit02

HEAD と比較したい場合は、比較-> HEAD Revision を選択します。(このへんの操作は Subclipse などと同様です)

egit-edit03

egit-edit04

ファイルの追加や削除は、Eclipse の右クリックの操作から行なってください。(OS からファイル操作をすると Git のインデックスがおかしなことになります)

ファイルの移動もドラッグアンドドロップを使うことで、Git が追従してきます。

egit-edit05

egit-edit06

リモートリポジトリへの接続

作成したローカルリポジトリを、リモートリポジトリに接続します。(ここでは Bitbucket のプライベートリポジトリに接続します)

1. ベアリポジトリを作成します。(Bitbucket 上に egit-test を作成しました)

b01

2. Git Repository ビューから、ローカルリポジトリの Remotes 指定し、Create Remote を押下します。

egit-remote01

3. Remote name を origin とし、Configure fetch を指定して OK ボタンを押下します。

egit-remote02

5. リモートリポジトリに 1. で作成したベアリポジトリを指定すると、Remotes が作成されます。

egit-remote03

egit-remote04

6. master ブランチをリモートと同期するために、ローカルブランチの master を選択し、Configure Branch を押下します。

egit-remote05

7. Remote に origin を、Upstream Branch を refs/heads/master とし、リモートリポジトリを追跡ブランチとして指定すると、Remote Traking が作成されます。

egit-remote06

egit-remote07

8. プロジェクトを右クリックし、Team -> Push to Upstream を押下し、リモートリポジトリにローカルリポジトリをプッシュします。

egit-remote08

b02

ローカルブランチの作成

Git の利点の一つは、ローカルブランチを手軽に作成でき、自分のタイミングで好きなようにコミット操作ができることです。それはドラクエのセーブに似ています。保存域は3箇所と言わず無限に(←真面目さがなくなってきた…

EGit でのローカルブランチの作成操作は次のようになります。

1. プロジェクト右クリックから Team -> Swicth To -> New Branch を選択します。

egit-branch01

2. Brach name を指定します。(ここでは devel ブランチにしました) master からブランチを作成したので、ヒストリーをみると、devel、master、origin/master の位置が一致しているのが分かります。

egit-branch02

egit-branch03

3. ワーキングディレクトリがdevel ローカルブランチにスイッチしたので、好きなように(恥ずかしい)コミットを入れながら、作業をしていきます。

egit-branch04

コミットを改変する場合

ふと次の日見た devel のコミットは、やっぱりあんまりだったので、コミットを改変して正しいものにするなどの手順です(?)。(rebase -i)

1. ヒストリーから親にするコミットを右クリックし、Rebase Interactive を押下します。プロジェクトのマーカーが Rebase Interactive に変わります。

egit-rebasei01

egit-rebasei02

2. Git Interractive Rebase ビューを開き、編集したいコミットに対してそれぞれの操作を指定して Start を押下します。(ここでは、2つのコミットを SQUASH 指定し、コミットをひとつにまとめています)

egit-rebasei03

3. 本コミットのメッセージを指定し、OK ボタンを押下すると、コミットが指定通りに改変されます。

egit-rebasei04

egit-rebasei05

というわけで次回は、できあがった devel を master にマージしてリモートリポジトリにプッシュする「ブランチからのマージ1」から書きます。

続く…

baserCMS ショッピングカートコンセプトテーマ baserCart

第2回 baserCMS デザインテーマコンテストで「店舗系テーマ賞」を頂きました!第1回に続き、2回目の受賞となり嬉しく思っています 😀

受賞者発表!! | 第2回 baserCMS デザインテーマコンテスト

制作:こもりこめろましゃ
baserCart (basercart-1.0.0)
デザイン性と機能性が両立できる baserCMS を活かすべく制作したショッピングカートサイトテーマです。
森のお店をイメージしたかわいいデザインにしてみました。
デザイン、イラスト、レスポンシブを含むマークアップ、商品・注文管理を含むコンテンツ管理と、ウェブサイトで使われる重要な要素を盛り込み、baserCMS の性能をめいいっぱい活用したテーマとなっています。
[ 審査員からのコメント ]
baserCMSの機能を存分に活用した作品です。プラグインを使って簡易ショッピングカート機能を実現している所など、baserCMSの可能性を広げてくれた作品です。

制作は「こもりこめろましゃ」ということで、コモモ(デザイン・ライティング・テーマ部)、モリコ(HTML・JS)、マリメロ(イラスト)、ひろましゃ(プラグイン部)の4人チームで行いました。

テーマを basercms.net に配置していただいておりますので、以下から実際に動いているところをみることができます。ファイルのダウンロードは 3/28 から始まる「baserマーケット」からダウンロードできるようになるとのことです!

商品一覧|basercart

モリコママは、ちょっとおせっかいで、ちょっとおっちょこちょいなシマリスのおかあさん。不思議の森のみんなは、モリコママの手づくりお菓子がだ〜い好き。モリコママは、美味しい手づくりお菓子を世界中の人たちに届けたいなぁって思いました。

コンテストでは応募の多くが汎用的なテーマとなることを予想しつつ、独自の世界観と baserCMS の可能性を表現することを目標に制作を進めました。思い描いていた通り完成できて、賞もいただけて本当に良かったです。メンバーのみなさまありがとうございました 😀

かわいらしい見た目とともに、広範囲に baserCMS の機能を活用したテーマとなっています。このブログのエントリーをサポートサイト代わりにして紹介してみたいと思います。

公開サイト部分

サイトの訪問者が見える部分の構成は次のようになっています。

  • 商品一覧(トップページ)

basercart-publish-01

  • 商品一覧(タグ分類)

basercart-publish-02

  • 商品詳細

basercart-publish-03

  • ショッピングカート

basercart-publish-04

  • 固定ページ・ブログ・お問い合わせメール(baserCMS基本機能)

商品は一覧・タグ分類ができ、商品名や最大4種類の画像、価格の情報を持っています。また、ショッピングカートには注文フォームが用意されています。

少しだけ baserCMS 使われたことがある方には、これはどうやったんだろうと思われる部分だと考えますが、バックエンドの実装的には今回のキモとして定めた部分でした。

baserCMS のソースコードなどを見ると「Based Website Development Project」とあります。つまり、baserCMS は CMS のベースともなるソフトウェアです。

WordPress がシステムの持つデータの形にサイトを当てはめる CMS とすれば、baserCMS はデータの形ごと作成できる CMS です。

今回の応募したテーマを WordPress でつくれば、商品情報を投稿タイプとカスタムフィールドに、タクソノミーで条件抽出するような実装となると思いますが、baserCMS ではテーブル構成やそのリレーション・インデックスを1から設計することが可能です。

作成したデータの形は、スキーマ管理、ユーザ権限やファイルのアップロード、テーマシステム、管理画面用の部品などなど、baserCMS が持つ力をたくさん借りながらウェブサイトとして構成することができます。

管理画面

  • 商品管理

basercart-admin-01

basercart-admin-02

  • タグ管理

basercart-admin-03

basercart-admin-04

  • 注文管理

basercart-admin-10

basercart-admin-11

商品系では、商品の一覧・編集、画像のアップロードや、多対多で関連するタグなどを使うことができます。注文ではステータスの変更や、注文明細の閲覧をすることができます。

おそらくテーブル構成などは、管理画面からのご想像通りです。実はタグやスラッグなどの部分は WordPress に由来してつくったりしています。テーマのダウンロードまでお楽しみにです。

CakePHP 初挑戦なのもあって、モデルとコントローラが、エンティティとサービスよりに心がブレている部分なんかがあるのですが、少しづつ修正していきたいです。

うまくできたら、本テーマはひと通りやりそうな実装がそろっていのではないかと思いますので、どこかで時間をつくって「baserCartの作り方」的なドキュメントを書こうかと思っています。 🙂

最後になりましたが、baserCMS テーマコンテスト実行委員のみなさま、大変お世話になりました。ありがとうございました!